トイレ

2022.09.15

植物の力

 

タイトルからすると自然の力で癒される的な話と思うかもしれませんが、全く違います。

住宅屋からすると少し怖い話です。

それは、お盆前にある水道業者さんからの電話で始まりました。

”トイレを和式から様式に交換したいのだけど、床の交換をお願いできませんか?”

当時は、仕事に空きもありお世話になった業者さんだったこともありその日のうちに現場を見に行くことになりました。

現場は、金沢市の繁華街の裏道に面した場所にあり、お世辞にも小綺麗とは言い難い場所にありました。

近くの駐車場で、水道業者さんと落ち合い、現場のお店へ。

そこで見たものは…

なんと床が盛り上がったトイレがあったのです!!

床タイルの下地は薄いながらにコンクリート。

したから油圧ジャッキをかけでもしない限りこうはなりません。

あるいは、建物全体が地盤沈下のために歪み、傾きこの部分にその歪みがでているのか!?

20年以上、この業界にいますが、こんなのを見るのは初めてでした。

とりあえず、解体してみないとわからないので業者を手配して解体を開始しました。

そして解体作業は終わり、そこから出てきたものは

皆さん、お分かりだろうか…

なんと木の根らしきものが出てきたのです。

触ると、直ぐに折れてしまい、根というよりは芋の感じでした。

そう、コンクリートを持ち上げたのは、”植物の根!”

やはり自然の力は偉大です。

ちなみに、この根はどこから来たかというと、この建物の裏に中庭(別所有者)があり、そこから根を伸ばしてきていたようです。

通常であれば、基礎コンクリートがあるためこんなことは起きえませんがその建物は、戦前ないしは戦後間もなくの建物とみられ、基礎もまともにない状態でした。

なので、工事は土台の下にコンクリートを詰め込んで(基礎ではありません。基礎をするためには、建物を一度持ち上げる必要があり。〇百万円のお金がかかります。)修理をしてきました。

床、壁の仕上げはタイル張りです。

水洗いもO.Kと言いたいところですが、本当はダメです。

木造住宅にとっての天敵は、湿気です。

タイル仕上げでもその裏には、木がつかられていることがあるので、水洗いは絶対にやめましょう。

濡れ雑巾で拭くぐらいはタイルなら問題ありませんよ。

それにしても、植物の力は侮れません。

でも、本当に怖いのはやはり人間…

今回の工事費を誰が受け持つか、この店舗の借主、大家さん、中庭の所有者で揉めているそうです。

…いい加減、うちも柿の木切らないとお隣さんから怒られそうだな

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